Cloudflare Access / WARPとは?世界中のネットワーク網を使ったZTNAの仕組み 🌐
CDN(コンテンツ配信網)で有名なCloudflareが、なぜZTNAも提供しているのかを知ると、仕組みがすっきり理解できます。
1. Cloudflare Access / WARPとは何か(基礎の定義)
Cloudflare AccessとWARPは、Cloudflare社が提供するZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)の機能です。ZTNAの基本的な考え方を、Cloudflareが世界中に持つネットワーク網の上で実現しています。
役割が少し分かれているのが特徴です。
- Cloudflare Access … 社員が社内のWebアプリ・管理画面にアクセスするときの「入り口の検問」を担当
- WARP … 社員のパソコン・スマホ全体の通信を、安全な経路に乗せる「専用の道」を担当
ふだん使っているスマホの地図アプリが、近くの基地局を経由して位置情報を素早く返してくれるのと同じように、Cloudflare AccessとWARPも、利用者の近くにあるCloudflareの拠点を経由して確認や中継を行います。
2. 仕組み:CDN網をセキュリティに使うという発想
Cloudflareはもともと、Webサイトを高速・安全に配信する**CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)**の会社です。世界中に拠点(データセンター)を持ち、利用者から地理的に近い拠点でリクエストを処理することで、サイトの表示を速くしています。
CDNのイメージ:
利用者 ── [一番近いCloudflare拠点] ── Webサイトの本体サーバー
(近い拠点で処理するので速い)
Cloudflare Accessは、この「近い拠点で処理する」しくみを、Webアプリへのアクセス確認にそのまま応用しています。
Cloudflare Accessのイメージ:
利用者 ── [一番近いCloudflare拠点で本人確認] ── 許可されたら社内アプリへ中継
利用者がアプリのURLにアクセスすると、まず一番近いCloudflareの拠点が割り込み、ID連携サービス(Google、Microsoft、Oktaなど)を使った認証画面を表示します。認証とポリシー判定(誰が、どのアプリに、どの条件でアクセスできるか)が済むまで、社内アプリには一切到達できません。
一方のWARPは、パソコンやスマホにインストールする小さなアプリです。インストールすると、その端末からのすべての通信が、まず最寄りのCloudflare拠点を経由するようになります。会社が定めたルール(危険なサイトへの接続をブロックする、社内システムへの経路を安全にする、など)を、端末のどこにいても一貫して適用できるのが利点です。
3. 他のZTNA製品との違い
| 項目 | Cloudflare Access / WARP | ZPA(Zscaler) | BeyondCorp Enterprise(Google) |
|---|---|---|---|
| 立ち位置 | CDN・ネットワーク基盤からの拡張 | ZTNA専業のセキュリティベンダー | Google Workspace/Cloudとの統合が強み |
| 強み | 世界中の拠点による低遅延な処理 | アプリ単位の細かいアクセス制御に特化 | Googleアカウントでの認証連携がしやすい |
| 向いている組織 | すでにCloudflareの他サービスを使っている組織、グローバルに拠点が分散した組織 | 大規模・複雑な社内システムを持つ企業 | Google Workspaceを中心に使う組織 |
(ZPAの記事も参考にしてください。)
どの製品も「常に確認する」「最小限だけ許可する」という原則は同じです。Cloudflare Access / WARPの個性は、もともとのCDN網という強みを生かして、世界中のどこからアクセスしても確認のスピードを落とさない点にあります。
4. まとめ
- Cloudflare AccessとWARPは、Cloudflare社が提供するZTNAの機能で、役割がアプリ側の検問(Access)と端末側の通信経路(WARP)に分かれている
- もともとCDNで培った「利用者に一番近い拠点で処理する」しくみを、認証・アクセス制御にも応用している
- 世界中に拠点が分散している組織や、すでにCloudflareの他サービスを使っている組織に向いている
ZTNA全体の考え方はゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)とは?、競合製品についてはZPAの記事も合わせてご覧ください。