ビデオ会議が増えた頃、自分の顔が暗く映っていることに気づいた。
画面越しに、相手の表情はよく分かる。自分のことは、自分では確認しにくい。でも、相手の反応で、なんとなく分かる。何か言うたびに、相手が少し身を乗り出す。聞こえているのかどうか、確認するような間ができる。
ノートパソコンの内蔵カメラは、映ることは映る。ただ、「よく見える」とは違う、ということを、ずっと後になって知った。
ロジクールのウェブカメラを買ったのは、選んだというより、手近にあったからだった。電気屋の棚で、在庫があって、値段が手頃なものを持ってきた。C270ndというモデルで、仕様はほとんど読まなかった。
パソコンに繋ぐと、そのまま動いた。ドライバーの画面は出なかった。角度を少し調整して、それで終わった。
次の会議で、相手が「最近、画質よくなりましたよね」と言った。こちらは何も変えたつもりがなかったが、ウェブカメラを替えたことを思い出した。
このカメラには自動光補正の機能があるらしい。暗い環境でも、自動で明るさを整える。難しい設定は何もない。繋ぐと、ただ動く。
画面の向こうの人に、ちゃんと見えている。そのことが、会話を少し軽くする。
